日々の施術の中で、お客様との何気ない会話が、とても大切な気づきにつながることがあります。
今日はその中から、多くの女性にとって「あるある」かもしれない日常の我慢についてのお話を、ひとつご紹介させていただきます。
「本当は魚が食べたいんですけど…」
ある日、クライアントさんがこんなふうにお話しくださいました。「本当は、魚が好きなんです。でも夫は魚をたべないので、結婚してからは魚料理を作らなくなって、スーパーでもお魚コーナーにすら行かなくなったんです」また別の方は、「子どもが嫌がるから、子どもが食べられるものばかり作っています。自分の食べたいものは、最近作ってないなぁ…」
これって、とても優しい、思いやりのある選択だと思います。でもこの選択が、
「我慢」を伴っているとしたら、どうでしょうか?
自分の“食べたい”や“したい”を後回しにして、相手のために選び続ける生活。それが、1日3食、毎日何年も続いたとしたら…。不満がたまっちゃいませんか?
「恐れからの選択」と「望んでの選択」は、体に違いが出ます
同じ行動でも、
- 「嫌われたくないから」
- 「しなきゃいけないから」
- 「怒られたくないから」
そんな“恐れからの選択”で行動していると、心だけでなく、からだにも知らないうちに緊張やストレスがたまっていきます。
反対に、
- 「自分がやりたいから」
- 「家族の喜ぶ顔が見たいから」
- 「それが私にとって嬉しいことだから」
という“心から望んでの選択”は、自分自身の中からエネルギーが湧いてきます。日々の中で選ぶ小さな行動の「動機」が、その後の気持ちの満足度や体の反応にまで影響しているのです。
実は、体は気づいています。
こうした“我慢の積み重ね”が引き起こす身体のサインは、意外と日常的なものだったりします。
- 肩こりや首のこりが慢性的に続く
- 呼吸が浅く、常に疲れているように感じる
- 生理前になるとイライラ・落ち込みが激しくなる
- なんとなくやる気が出ない、眠れない
- 胃腸の不調や頭痛など、原因のはっきりしない症状が続く
- 旦那さんや、こどもがいるときに疲れてしまう
これらの背景に、「自分を後回しにしてきた」という心の状態が関わっていることも少なくありませんが、そのようなことはありませんか?
今日のごはん、なにを食べたいですか?
自分を後回しにしているな。と思われる方は、ぜひ、「今日、私は何が食べたい?」
そんな小さな問いかけを、こどもさんや、旦那様だけでなく、自分自身にもしてあげてくださいね。
そしてその答えを、きいて、ちゃんと選んであげることがとても大事なことになります。
それは単なる“食事”の話ではなく、自分を大切にすることや心とからだをととのえていくことに、つながっています。
しなきゃ”ではなく、“したい”から選ぶ日常へ
食事を決めるときだけでなく、日々の生活の中で、
- 「○○しなきゃ」
- 「我慢しないと」
- 「こうすべき」
そんな言葉ばかりが頭の中に浮かぶときこそ、一度、立ち止まって、自分に聞いてみてほしいんです。
「私は、どうしたい?」
「これを選ばないと、何が怖いの?」
「“したい”から動けてる?」
ほんの小さなことでも、“自分の本音”を選ぶ練習をしていくことは、
心とからだのズレを修正する大切なステップになります。
鍼灸は、心と体のズレを調えるお手伝い
当サロンでは、肩こりや疲労、体の痛みや不調といったお悩みの背景にある、
心とからだのバランスの崩れにも注目して施術を行っています。
「自分の気持ちがわからない」
「我慢してきたことにすら気づけなかった」
そんなお声も、よくいただきますが、からだの緊張がゆるむと、心もやわらぎ、
自然と「本当の気持ち」が浮かび上がってくることがあります。どうか今日の一日が、
“誰かのため”だけでなく、“自分のため”にもやさしい日となりますように。